成長期の腰痛の半分が腰椎分離症。早期発見・早期治療が大切
6-12歳で起こる腰痛症の半分が腰椎分離症といわれており、放置すると将来的に手術が必要となることもありますが、早期発見・早期治療を行うことで良好な経過が得られます。
また腰痛の場合、レントゲン検査やCT検査と比べMRI検査の方が詳細に病態が把握できるため、より正確な診断をすることができます。
当院では、一般的なレントゲン検査に加えCTやMRIを活用することで、早期から適切な治療を開始することができます。
6-12歳で起こる腰痛症の半分が腰椎分離症といわれており、放置すると将来的に手術が必要となることもありますが、早期発見・早期治療を行うことで良好な経過が得られます。
また腰痛の場合、レントゲン検査やCT検査と比べMRI検査の方が詳細に病態が把握できるため、より正確な診断をすることができます。
当院では、一般的なレントゲン検査に加えCTやMRIを活用することで、早期から適切な治療を開始することができます。
腰椎分離症では、一般的に医療放射線を照射するレントゲンやCT検査を行うことがありますが、それらの検査時には放射線被ばくが避けられません。
当院でCT検査を行う場合、撮影部位を限定するなどの工夫をし放射線被ばくの低減に努めています。
また、MRI検査では放射線被ばくの心配が無いため、MRI検査で異常がみられない場合にはCT検査を行いません。MRIを活用することで放射線被ばくをできる限り抑えるだけでなく、早期の腰椎分離症を発見することもできます。
一般的には、約3~6ヶ月間の安静と運動休止が基本治療とされていますが、当院では、症状や時期に応じたリハビリを段階的に進め、スポーツ復帰時のパフォーマンスの低下を最小限に止めながら、多くの例で3ヶ月でのスポーツ復帰を目指しています。
スポーツを愛好する発育期の青少年に起こる腰椎(腰の骨)の疲労骨折です。 野球、サッカー、バスケットボール、陸上などの選手に多く見られます。
学童期(6-12歳)の腰痛症の50%が腰椎の疲労骨折であると言われています。
スポーツ活動中の腰をそらす動きや腰をひねる動きなど、腰椎に繰り返しストレスを加えることが原因です。
以前は“腰椎分離症は先天性であるため、治らない”と言われていました。しかし研究が進むにつれ、“腰椎の疲労骨折である”ということがわかり、適切な治療により治癒することが証明されました。
腰椎分離症が疑われた場合は速やかに医療機関を受診し、早期発見・早期治療を行うことで良好な経過が得られるといわれています。
また、骨の成長が未熟な時期に分離症になると、腰椎すべり症(下図参照)になる危険性があるため、骨癒合が期待できる時期であれば、積極的に骨を癒合させる治療が必要になります。
腰椎が前にすべってしまう病態です。脊髄神経を圧迫し、しびれ・足の痛みなどの神経症状を引き起こすことがあります。
※学童期に発症した腰椎分離症が進行すると、手術が必要な重度のすべり症に移行する場合もあるといわれています。
症状により、レントゲン検査、MRI検査、CT検査などの検査を行う場合があります。
分離症は、進行の度合いで治り方が異なるため、できるだけ早い段階での発見が良いとされています。
当院では、MRI検査により超初期の分離症まで発見することができ、治療中も定期的にMRIやCTで検査を行い、骨の癒合状況を確認しながら慎重に治療をすすめていきます。
発見・治療が早ければ早いほど良いといわれていますが、終末期では根治療法は困難となります。
CT検査は分離部の治癒の状態などを把握するために必要な検査ですが、レントゲン検査と比べ放射線被ばく量が多いといわれています。当院は被ばくの心配がないMRI検査を活用したり、CT撮影方法を工夫することで、放射線被ばくの低減に努めています。
1.初診時にCT検査より鋭敏なMRI検査で異常がみられなかった場合は、CT検査を行わないことで不必要な放射線被ばくを防いでいます。
2.CT検査は分離部のみ撮影するため、比較的少量(腰椎全体撮影と比較し1/4以下)に抑えて検査しています。
※多くの一般的な病院では腰椎全体撮影を行っています。
当院で初期分離症と診断された場合、パフォーマンスの低下を最小限に止めて診断から約3ヶ月でスポーツ復帰を目指します。
*復帰基準はあくまでも目安であり、診断時の病期や年齢に応じて変動する場合があります。
一般的には、「硬性コルセットを装着して約3~6ヶ月間の安静と運動休止」が基本治療とされていますが、米田病院では患部の安静はコルセットで守りつつ、ストレッチ・体幹筋力トレーニング・バランス強化訓練など症状や時期に応じて可能なことを段階的に進めていき、スポーツ復帰時のパフォーマンスの低下を防ぎながら、できるだけ早いスポーツ復帰を目指しています。
当院初診時に超初期または初期分離症と診断された患者さんのうち90%以上の患者さんが、治療開始から2ヶ月でスポーツ復帰を果たしています。
当院の通院リハビリテーションは完全予約制であり、担当制になっています。
マンツーマンで時間を決めて行うことで、綿密な治療計画や現在の状況、先々の大会などの目標を立てやすく、治療に対する不安感を少しでも取り除くことができます。
診察時には、分離症研究チームが診察結果の内容と今後の方針を丁寧に説明します。
腰椎分離症は様々なスポーツ競技で発生する疲労骨折です。
その原因動作は主に体幹の伸展(体を反る姿勢)や回旋(体をひねる姿勢)の繰り返しと言われています。
当院では、スポーツごとにリハビリスケジュールを作成することで、それぞれのスポーツにおける特異動作などを加味した専門的なリハビリテーションを提供しています。
院長をはじめ分離症治療に携わるスポーツドクターとリハビリスタッフで、週に1回の定例会議を開き、患者さんの病態の共有や知見に関しての意見交換などをしています。 そのため、パフォーマンスレベルを上げた直後に痛みがひどくなった場合の対応や、 直近の大会への参加の可否などに対して、迅速に対応することが可能です。こうした医師とリハビリスタッフの密な連携が、当院での治療成績の向上につながっています。
私達の身の回りの生活は日々進歩しているように、医療分野においても日々新しい知見が生まれています。
当院は更なる知識向上を目標に毎年数多の学会に参加し、医師と共有しています。
また、当院からも学会に発信し、そこから得られた新しい知見を患者様に提供できるよう研鑽しています。そして、現在では200件を超える臨床データを記録することができており、その中から良くなった方、そうでない方の特徴や傾向を細かく分析することで、治療成績の数値だけにとらわれない、患者様一人一人の答えに繋がる考え方、治療方針を目指しています。
腰椎分離症の痛みは「しびれを伴うほどの強い痛み」や、「何もしてなくてもずっと痛い」というような症状は一般的ではなく、「腰を反ると痛い」「運動すると痛い」といった痛みの訴えが多い傾向にあります。
そして、分離症の治療には「早期発見・早期治療」が重要なポイントです。
「病院に行くほどでもないけど接骨院には行っておこうかな」という患者さんも多いため、当院では接骨院従事者への情報発信、そして接骨院との連携などに力を入れております。
そうした取り組みから、現在当院で腰椎分離症の診断を受けた患者さんの約半数は、接骨院からの紹介となりました。
このような地域に根付いた活動が、腰椎分離症の早期発見、早期治療のきっかけにつながっています。