手首の骨折について〔第2段〕~子どもの場合~
皆さん、こんにちは!
リハビリテーション科の山田です!
今日は手首の骨折について〔第2段〕です!
前回までご高齢の方の手首の骨折「橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)」を解説してきましたが、今回は子どもの手首の骨折について解説していきます。
骨折と聞くと、高齢者の方や骨粗しょう症などの話をよく聞くと思いますが、小さなお子さんも骨折することがあります。
特に以前からテーマに挙げている「橈骨遠位端骨折」は老若男女問わず多い骨折で、子どもの場合の多くは保存的に治療します。
子どもが骨折した場合に問題となるのが、「成長障害」です。
子どもの骨には「骨端線(こったんせん)」という成長するための軟骨が存在しています。
整形外科に行ってレントゲンを撮った時にお医者さんが言う「よかったね、まだ身長伸びるよ」と言われる、あれです。
これは右手首のレントゲン写真です。
赤い丸の部分が骨端線です!
骨端線に傷がついたり潰れたりするなどして損傷する事もありますが、損傷したまま放置すると骨の成長障害を起こす事があります。
そしてその成長障害の程度によっては、手術が必要となってしまう可能性もあるのです!!!
他にも!!
子どもの骨は水分を多く含んでいるため、若木骨折(わかぎこっせつ)と言われる、骨のヒビの様な骨折を呈することもあります。
大人の骨折と比べ腫れなどの症状が軽微でわかりにくいことがあります。
このような子ども特有の骨端線損傷や若木骨折は、レントゲン写真でははっきりと分からないこともあります。
そのような時には、MRI検査で精密検査を行います。
当院にはMRI機器が2台あるため、医師の判断の下、診察当日にMRIを撮れる事があります(外来の混雑状況や時間帯によっては後日検査を行います)。
子どもが転倒して何処かの痛みを訴えている場合、必要な時にはMRIを撮影するなどスピーディで正確な診断・治療が提供できるよう心がけております。
コロナによる休校期間も終わり、徐々に外出したり活動したりする機会が増えた今、ケガに気を付けてお過ごしくださいね!